刃物研ぎの個人授業

今日は朝からうちのの叔父が遠路現場にやってきてくれて、刃物研ぎの個人授業をやってくれた。

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【叔父持参の砥石セット】
現場に着くなり荷台から出てくる出てくる道具の数々。まずは砥石の一団。向かって左、粗砥から右へ順に仕上げ砥石まで。

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【叔父自作の下端定規と桐のケース】
次に出てきたのは下端(したば)定規と言う代物。鉋台や砥石の面を確認する道具らしい。

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【叔父自作の椿油塗り】
これも竹製の自作で、刃物を研いだ後に椿油を塗っておく道具。椿油が染み込んで良い色になっている。

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【金盤の上にのせた金剛砂と水】
そしていよいよ研ぎの実技開始。まずは金盤と言う30㎜程度の厚さの鉄の板の上に金剛砂を耳かき一杯ぐらいおいて、水を数滴たらす。

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【鉋刃の裏押し】
次に鉋刃の裏側の面を出すために、またまた自作の裏押し棒を鉋刃にあてて研ぐ。裏の出し方は鉋は糸裏と言い、刃先が3㎜程度で左右にぐるりとつながった状態に仕上げる。鑿の場合はべた裏に仕上げるとのことだ。

刃先に刃返りがでたら、金盤の上の金剛砂を洗い流して、金盤と水だけで刃先が鏡面になるように研ぐ。

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【自作専用治具に固定した鉋刃】
次は鎬面を研いでいく。削ろう会ゆかりの松田豊氏(故人)考案の専用治具を叔父が自作したもので固定して研ぐ。

治具には手を添えるだけで、指で押さえた刃先に力を入れて研ぐ。実際に治具を使うと刃を研ぐ角度がきちんと決まるのがわかる。

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【天然の仕上げ砥石】
次々と砥石を変えていき、仕上げ砥石まで研ぎ上げ、刃返りがでたら
最後に両面を軽く研ぐ。

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【刃先確認用のルーペと自作の台】
次に出てきた木の箱。これも自作で中から照明付きのルーペが出てきて、箱は鉋刃を置いて固定する台になり、これで刃先の仕上がりを確認。

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【鉋の試し削り】
最後に側にあった野縁材で試し削り。自分も削らせてもらったが、凄く軽く、綺麗に削れる。刃研ぎの大切さを実感した。

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【研いだ鑿の裏】

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【研いだ鑿の鎬面】
昼食後には鑿の研ぎ方も教えてもらった。同じく専用治具を使えば鎬面が決めやすい。

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【鑿のセット】
叔父が持参した鑿を数本くれた。一番右が3分で左端が1寸幅。これでこれまで持っていた鑿と合わせてとりあえず必要な幅の鑿が揃った。

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【研ぎに使った台】
そして最後に今日一日使った叔父自作の研ぎ台も置いていってくれた。この台、足が四方転びと言われる角度で固定されていて、安定感抜群。

マンツーマンで教えてもらって、道具までもらってしまって、本当に有り難い。

現場を離れる最後に叔父が、周りを見渡して、「まだまだ大変やなぁ」

途中、一乗寺に行って、国宝の三重の塔を見学。この塔の凄いところも説明してもらったが、それはまた別の機会に・・・。

こんな雑なブログを最後まで読んでいただき有り難う御座います。
雑は雑なりに頑張って書き続けてみるんで、良かったらまた見てやって下さい。